さっそく!
初心者の方が個別株や投資信託、FX 、NISA 、仮想通貨の取引を始める前に、運用で利益が出た際の税率や、確定申告が必要かを知っておくことで、投資する対象を選ぶ際に役立つと思います。
投資で確定申告が必要な理由をざっくり言うと、⓵利益を申告することで、②所得(課税所得)が決まり、③その課税所得を元に、所得税・住民税が計算される為です。
口座の種類・違い
- 非課税口座
- 特定口座(源泉徴収なし)
- 特定口座(源泉徴収あり)
- 一般口座※
まず、比較的に初心者の方が始めやすいと言われている「つみたてNISA 」ですが、他の投資対象と違い何か特定の商品があるわけではありません。単純に投資を始める際の“口座(枠)”の種類と思って頂くと理解が早いと思います。
非課税口座
- 確定申告が不要な口座になります。
- 損益通算ができない。
非課税口座ですので、そもそも課税対象の口座ではありません。また、2021年現在はNISA ・つみたてNISA ・ジュニアNISA の3種類が非課税口座になります。運用でどれだけ利益が出ても課税をしなくても良いので、初心者の方が始めやすいのも納得です。
各NISA は、下記の範囲内で購入した金融商品から得た利益(配当金、譲渡益等)に税金がかかりません。
- NISA :5年間、年間120万円
- つみたてNISA :20年間、年間40万円
- ジュニアNISA :5年間、年間80万円
※NISA 、つみたてNISA は同じ年に利用ができません。年度が替われば変更は可能。
※ジュニアNISAは2023年に制度自体が終了します。ただし、制度終了後も20歳になるまでは非課税で保有可能。
特定口座(源泉徴収なし)
- 確定申告が必要な口座になります。
- 損益通算ができる。
購入して保有しているだけの状態や年間利益が20万円以下の場合は不要です。
例えば⓵
個別株を10万円で購入し、株価が60万円になっている場合ですが、売却をして利益を確定しない限り50万の売却益を見込める場合でも、確定申告はしなくても良いです。
例えば②
投資信託を50万円で購入し、60万円で売却した場合は、利益が10万円になり、年間通して20万以下の場合は確定申告はしなくても良いです。ただし、住民税の申告については、別途必要になりますのでご注意ください。
損益通算とは、年間トータルで損失が出ていた場合など、他の金融商品含め最大3年間損益通算が可能ですので、確定申告をしておくことでメリットがある場合があります。今年は年間トータルで損失でも、来年に年間トータル利益になった場合に、過払い分の還付が受けられます。損益通算をする場合、3年間損失を繰り越すためには、3年の間、取引が行われていない年でも確定申告を行うことが必要です。
特定口座(源泉徴収あり)
- 確定申告が不要な口座になります。
- 確定申告をすれば、損益通算ができる。
ただし、年間利益が20万円以下の場合でも自動的に税金が引かれてしまいますので、本来であれば年間利益が20万円以下で払わなくて良い税金を払うことになります。また、比較的に売買を多くする方は、売却の度に利益がある場合は、その都度税金を引かれることになるので、“特定口座(源泉徴収なし)”に比べると不利になります。
ポイント!
損失が出ている時など、確定申告をした方が良い場合もあります。
- 2019年損失30万円
- 2020年利益100万円
2020年に利益が100万円の場合は、自動的に100万円に対して課税をされていますが、損失30万円あった2019年に確定申告で損益通算の申告をしていれば、2020年に自動的に課税をされいた100万のうちの30万円が過払分になり、2020年の確定申告した上で還付を受けられます。
まとめ
各口座の特徴
- 非課税口座(各NISA ):確定申告不要、損益通算できない。
- 特定口座(源泉徴収あり):確定申告不要、損益通算できる。
- 特定口座(源泉徴収なし):確定申告必要、損益通算できる。
※注意点は、年間通して20万以下の場合は確定申告はしなくても良い。ただし、住民税の申告については別途必要。
初心者の方を含め、長期での運用を考えている場合は、つみたてNISA 口座を利用して、投資信託を購入。また、短期で積極的に売買をされる方は、購入上限はあるもののNISA 口座を利用して、個別株を購入する選択も良いと思います。
慣れてきたら確定申告をする前提で、短期運用:特定口座(源泉徴収なし)で、長期運用:つみたてNISA が良いかもしれません。
次回、個別株や投資信託、FX 、NISA 、仮想通貨の課税方法を説明します。
以上
『投資を始める前に!確定申告や口座、課税方法の違い・種類①』でした。
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